【感想】『ひだまりが聴こえる』文乃ゆき(著)
初心者向き、つまり老若男女幅広く向き。
どうも、イモ子です。
BLって読んでみたいけど何を読んだらいいのかわからない方は入口はこちらの作品などいいのではないでしょうか。
BLが苦手な人でもこれは読めるし好き!という人もいるぐらい。
実写映画にもなってます。
オススメはこちら!
※核心的なネタバレはありません。
『ひだまりが聴こえる』文乃ゆき(著)
―――あいつ、耳聴こえねーの?
難聴せいで何かと誤解を受け周囲とうまく馴染めない大学生の航平は、いつしか人と距離を置くようになっていた。
そんな時に出会った同級生の太一。
バカみたいに明るい性格で思ったことを何でも口にする彼から
「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ!」
と言われ、航平はその言葉に心底救われて……。友達以上、恋人未満。太一との出会いが航平を変えていく。
≪突発性難聴のクールな青年 航平×直球素直な元気青年 太一≫
難聴という繊細な題材を扱っているのですが、それが同情を買うような描き方でなく、ゆっくりと、一字一字丁寧に読みたくなる作品です。
読み終わった後も、題名通りひだまりに包まれたような気持になります。
絵も温かみがあって素敵。
難聴の航平くんですが、生まれつき耳が聴こえなかったわけではなく、中学の頃に目覚めたら途端に聞こえなくなった、という経緯から、何かが急になくなることや、周囲の反応に、いつしか心を閉ざして過ごすようになります。
そんなときに太一が目の前に現れ(落ちてきた?)、ノートテイカー(ノートの代筆)をすることをきっかけに、少しづつ閉じていた扉が開いていく。
というか太一が扉ぶち壊した感じ。
何重にも立ちはだかる壁を右ストレート一本でドーン!と一瞬でぶっ壊していきました。
全てが全く聴こえないわけではない航平ですが、普通の人の声は聴こえづらく、人の口を見ながら予想して話を聴くほど日常は不便です。
しかし、太一の声だけはよく聴こえるのです。
太一も両親に捨てられ、祖父に育てられているという複雑な家庭環境ですが、それを感じさせない純粋さとまっすぐさ、純粋が故の葛藤があって胸がキュッと締め付けられます。
次第にそのまっすぐで太陽のような太一に惹かれ、いずれ太一の声まで聴こえなくなってしまうことに恐れを感じる航平と、そんな航平にただひたすらまっすぐに向き合う太一の姿がとても一途です。
心洗われると同時に、偏見や葛藤、それぞれの幸せとは何か、色々と考える機会を貰える作品でもあります。
あとはひたすら、出てくる食べ物が美味しそう…笑
悩んでいるときやリセットしたい気持ちの時に読むと心がスッと軽くなります。
そんなときにぜひ。
まっすぐは伝わる!
1冊でも完結していますが、
続きあるのでそちらもオススメなので今度ぜひ感想書きます。
いい作品は何度でも読み返したくなる!